…むかし むかしー
ウサギ村に、1羽の真っ白い うさぎさんが 住んでおりました。
🐰
うさぎさんには、とても大事な お仕事があります。
それは、『いいニンジン』と 『悪くはないけれども、よくもないニンジン』を見分け、『いいニンジン』だけを 村のウサギ達へ 届けてあげる……という、お仕事。
🥕🐇
村のウサギ達は とてもデリケートなので、少しでも 傷んだ ニンジンを食べてしまったら、すぐに お腹を壊したり、ひどい時は 病気になってしまうからです。
うさぎさんは 前に 一度だけ、神様に たずねてみたことがあります。
🐰『よいニンジンと、悪くはないけれど よくないニンジンって、なんなのですか? ボクはどうやって、それらを 見分ければ いいのですか?』
すると、神様は こうおっしゃいました。
👤『それはね、うさぎ。 お前が 自分で考えなければならないことだよ。 …それが、私からの 宿題だ。』
…やっぱり よく分からないまま、うさぎさんは とにかく お仕事にはげむのでした。
うさぎさんは とても一生懸命でしたが、時には 村のウサギ達からー
『まだ 食べられるじゃないか?』
『もったいないなぁ!』
などと言われては、落ち込むことも しょっちゅう でありました。
…それでも、少しずつ お仕事に慣れてきた、ある日のことー
黒うさぎが うさぎさんの前に あらわれ、突然 こんなことを 言い出しました。
『やい、うさぎ! お前、ニンジンを届けるのが 近ごろ 遅いんだぞ! それに、お前は なぜか、俺様の畑で採れたニンジンばっかり、いやに どかすじゃないか? 俺を、ばかにしてるのか?』
それを聞いた うさぎさんは、悲しい目をして 言いました。
🐰『ごめんよ……。ボク、これでも 一生懸命やってるつもりだったし、それに そんなつもりじゃ…。 …キミの畑のニンジンは、いい時は とっても いいんだけど、その………。 ……うん、分かったよ。 ボク、がんばって なるべく 早く みんなへニンジンを届けるようにするね。』
…それから というもの、うさぎさんは 朝、昼、晩と、毎日 寝る間もなく、みんなの所へ ニンジンを届け続けました。
📮 🥕🐇)))💦
そんな ある日、事件が起こったのです。
気をよくした 黒うさぎが、ふと 思いついて うさぎさんの元を 訪ねてみるとー
なんと、うさぎさんは 大量のニンジンに 埋もれたまま、気を失って 倒れていたのです!
🐇
黒うさぎが おでこを触ってみると、それは ひどい おねつ でした。
…黒うさぎは、他のウサギ達より 少し不器用で、怒りっぽく、素直じゃない所が あるだけで、根はけして 悪い子ではありませんでした。
…反省した 黒うさぎは、それは 懸命に、うさぎさんを 看病してあげました。
すると、どうでしょう。
みるみるうちに、うさぎさんは もとの元気を取り戻していったのです!
☀️ 🐇
……それからというもの。
黒うさぎと うさぎさんは、すっかり 仲良しさんとなりー
今では、黒うさぎは たまに、お仕事を がんばる うさぎさんの横に、そっと あま~いプリンを 置いていくようになりましたとさ。
🍮 🐇
~めでたし、めでたし~
(※この物語は フィクションであり、実際の人物、キャラクター、団体、会社などとは いっさい 関係ありません。)