どうも、nanaha.です。
最近急に寒くなりましたが、皆さん如何お過ごしでしょうか。
僕は風邪を引いて寝込んでいました…。(37.9℃)
体調にはお気をつけください。
さて、今回の小瓶は「ひとりぼっちの教室」という小説のブックレビューとなっております。
ネタバレ有りとなりますので、お気をつけください。
この本は、「いじめ」をテーマにした短編集(全4話)です。
小林深雪さん、戸森しるこさん、吉田桃子さん、栗沢まりさんが執筆しています。
一章づつ感想を述べていこうと思います。
友達なんかいない/小林深雪
いじめっ子の穂花が、今度は、クラスで仲間はずれになってしまう。かわいくて人気者で自信があり、今までは、なんでも自分の思い通りにしてきた穂花。しかし、だんだん見た目のかわいさだけでは、人の心を動かせなくなっていることに気がついていく。そんなとき、声をかけてくれたのは、自分がいじめてきた久保田千湖だった。
・「友達」「自分」について考え直していく主人公の姿がとても人間らしい。
・結末が少し綺麗すぎ…?でも全体的に軽くて読みやすい。
・小林深雪さんらしい話の構成だった。
これは加部慎太郎に送る手紙/戸森しるこ
顔にあるアザのせいで、深刻ないじめにあっている月森直。いじめることをやめられない遊佐資。正義感の強い加部慎太郎。その親友のぼく。変えられない、変わらないと思っていたその関係性は、意外なかたちでくずれる。
・人にはそれぞれ裏があって、一口にいじめっこはこう!いじめられっこはこう!って言えないことがすごくよく分かる。
・すごくリアルだが少し重いかも。でも、最後は光がある。
・戸森しるこさんは他の本も好きなので期待していたが、ちゃんと上回ってきた。
転生☆少女/吉田桃子
「どうせ私なんて」という言葉を口に出してしまうと中2に戻ってしまう主人公が、経験の豊かさを活かして、いじめを克服していく、という学校の文芸誌に載っていた作品によって、多くの生徒が救われていく。
・いじめを大人目線で冷静な分析していたり、爽やかな復讐のシーンだったりにスッキリする。
・リアリティーはあまりない…?ただ軽さはこの短編集で随一。
・初読の作家さんだが、会話文とかの言葉遣いがリアルでGood。
イッチダンケツ/栗沢まり
体ばかり大きく、気が弱くて勉強のできない村瀬風人は、英語の先生に目をつけられ、いじめられる。クラスでも孤立するなか、声をかけてきたのは同じく孤立している「宮田君」だった。高飛車な物言いに、反感を覚える主人公だったが、長縄大会を通じて、彼が孤立している本当の理由を知る。
・登場人物が、汚いけど人間らしい。いじめのリアルさとか人間のドロドロした感じとかはリアル。
・とてもリアルすぎて少し苦しかった。でも、終わりには少し希望があった。
・初読の作家さんだが、とても好きな本だった。もっと読みたい。
少し自分語りをしますね。
僕、現在進行系でいじめにあってて、不登校なんです。
そんな中、母さんがおすすめしてくれたのがこの本でした。
母さんが、
「nanaha.にも、最後のところみたいに、希望はあるから。今はそれを実感するためのリハビリ期間ってことで」
と言ってくれて、ちょっと泣きました。
「最後のところ」っていうのは、是非読んで確かめてくださいね。
最後に、僕が心に残った一言を贈って終わりにします。
『僕はバカだけどさ。バカにもプライドは、あるんだよね』
では、さようなら。