小学校でみたじごく。意地になったみたいに学校には通い続けたけれど、無理したぶんだけ体はぼろぼろになって。いまではなぜか記憶は抜けおちた断片ばかりになってるんだけど。池に沈んだお気に入りの傘。
すこし遠くの中学校に入って、
普通 な日々を手に入れようとした。
挨拶 気遣い、無難で控えめ
ひととがっつり向き合うなんて向いてない。
やっと毎日はしずかになった。挨拶を返してくれるひと、一緒に居させてくれるひと。なんてしあわせになったのだろう!
でも、素直にきもちを出したり本音で話すことが出来ないまま
にこやかなお面かぶって 毒にも薬にもならない言葉で生きるじぶんが嫌いだった、いいなって思えたひとにもほんとのきもちのひとつも言えなかった。ふとこぼした言葉はいつもずれていて、もりあがった空気を止めてしまった。だれ一人笑わせることも出来ない、だったら無難に 控えめに。
なに考えてるのかわかんないねって言われた。見抜かれたか。思いっきりはしゃげる、気を遣わず思ったこと話せるひとはいなかった
いや、探しもしなかった、欲しかったのに。
そんな私だけど
いま
すこしずつお面を外して。
ぜんぶじゃなくても 思ったことを、じぶんなりに考えてきたことを 言葉にしようとしている。
きょとんとされることも多いけれど、僕もそう思っていた
そんなことばが 嬉しい。
放課後の教室
故障が故障をよんで部活ができずに モヤモヤしながらマネージャーごっこ、そうして体育館からでてきた私を、六時半の夕闇のなか しずかに窓から漏れるそのあかりが呼んだんだ。
それぞれ なにか を抱えて、帰りたくない五人
いつのまにか毎日集まるようになった。
ポーカーとなぞなぞと携帯から流すすこし古い音楽、中身もないお喋り。
居心地がよくて むかしから一緒にいたみたいになって、ぽつぽつとつい、じぶんのことばで話をし始めたんだ。
小説を書くことをはじめてじぶんからひとに言ったなぁ… たまたま知られて読まれて笑われたあの頃とはぜんぜんちがって、
ことばの力を信じたい
こぼした言葉に引くこともなく、そうだねってうなずいてくれた。
いろんなひとがいて、それぞれじぶんの世界を、じぶんだけの信じるものを持っているって知った。それを隠すこともなくまっすぐじぶんの道を行く、かれらがほんとに格好良いと思った。
だから私も、ちょっとずつでも
だいすきなこと、信じるものを伝えられるように。本音で話したいなって思えた。
傷を癒してくれた、私をすこしまえに進めてくれた、みんなにありがとう。
ぐちゃぐちゃでまとまらなかったけれど、これはありがとうの小瓶です。