読書録と仕合わせの小瓶。
野口嘉則さんの「鏡の法則」を担任の先生から貸していただいた。
この本を受け取った時は何故これを私に?
と、疑問に思った。
というのは、先生に以前借りた本は、
英語の長文で取り扱われたものや、歴史に関する本ものなど、
「勉強の」本だったからだ。
しかし、読んでみてわかった。
先生はきっと、この本が私にとって必要だと思って貸してくださったのだ。
「鏡の法則」は、物語とあとがきで構成される、簡単な本だ。
前半部分の物語は、息子のいじめに悩む主人公が、自らの父親との関わりを見つめなおすことによって問題を解決していく、という内容である。
そして、本の半分近くを占める(この点に驚きを感じた)あとがきは、物語の中で主人公が実践した方法を一つずつ拾い、読者が誰かを許すための方法を説く。
この本は、誰かを「許す」ための本だ。
私には許せない人がいる。
離れた今でも、その存在に怯えている人がいる。
そういった人たちを許すために、過去のことを思い出すのは今はまだ、抵抗がある。
でも、近いうちに必要となる気がしている。
だから、あとがきに書かれていた8ステップをメモした。
対人関係に悩んでいる人、許せない人がいる人に読んでもらいたいなぁと思った。
読み終わってから、いつもと同じように、
先生にお礼の手紙をしたためた。
数ヶ月前に欲しかったものが手に入ってから、私の時間をまわす歯車はやっと正常に動き出して、現在と向き合うことができるようになってきた。
まるで拾い忘れた、拾うのを拒否した大人になるための心の欠片を集め直しているような感覚。
そんな「大人になるための心の欠片」が、
先生に本を貸していただいたことで、また1つ見つかったような気がする。
そういえば、小学生の頃、
自分は今まで順調にいきすぎたから、これからどんどん落ちていくのだと思っていた。
(実際に落ちた)
大人になる自分が想像できず、
きっと大人になっても何かが欠けた人間になるのだろうと思っていた。
それは、欲しかったものを手に入れるために、大人の欠片を拾い忘れている、拾うのを拒否しているという感覚が
自分のどこかにあったからなのだろう。
大人になりきる前に、
まだ子供だと言える年齢のうちに、
気づけてよかったと最近思う。
(その気づきは宛メにもらったと思っている)
担任の先生は、日頃から私をよく気にかけてくださっている。
今回も留年すれすれの私のために、
出席数の少ない授業と、出席数に余裕のある授業とを入れ替え、
時間割を大幅に変更して下さった。
仕合わせに感謝だ。
私は、とても恵まれている。
先生のためにも、進級しなくちゃ。
とか言いながら今日、久しぶりに休んでしまったけれど。
頑張ろう。
4月からも先生の指導を受けられるように。
それから、ちゃんと大人になれるように。