僕の彼女は今まさに死の階段を昇っている。余命数日。
職場がブラックで、苦しみながら彼女は働いていた。結局、体調を崩し入院することとなった。持病が悪化し手術が必要となったが、我慢して働いていたため、手遅れの状態だった。
彼女は病室で「今年の桜は綺麗に咲くのかな?」ってポツリと言った。僕は「今年は去年よりも綺麗な桜が咲くよ」と返した。彼女は「教えてくれてありがとう」と微笑んだ。
あと数日で彼女が逝ってしまうかと思うと、胸が張り裂けそうになる。逝かないで欲しい気持ちと、早く痛みから解放させてあげて欲しい気持ちが交差する。
何も出来ない自分に苛々が募る。
ただ、今は…逝かないで欲しい。生きていて欲しい。