偶然なんだろうか。孤独で堪らなかったのに、
今は平気だ。吐きそうになるくらい思考に没頭
した時期もあったけれど、考えたことは砂のように
風に消えてしまった。そもそも問題があるという
考えこそが問題だったのだ。問題も孤独も自分が
海のような大いなる存在に守られているという
安心感を思い描いたら消えてしまった。
感性の強い人間は、現実とのギャップに苦しむこと
が多いと思う。確かに現実は無常で虚しい。ただ、
世界は現実だけではない。私たちには想像の世界が
無限に与えられている。思い描く美しいビジョンを
現実に表現する。きっとこのために生きているし、
それは自分を愛していなければできない。