この手紙がまた、あなたの元に辿り着いたのですね。
それは何より。
もしも貴方がこの手紙を初めて読むのなら、簡単な自己紹介をしなくてはなりませんね。
私は旅をしている者です。
旅日記とやらをここで手紙にして皆様に読んで頂いています。
この前の手紙はある少年のお話でしたね。
いやはや、あの旅話はとても懐かしく、、手紙を書きながら少年が住んでいた街を思い浮かべたものです。
今回は“2人の少女 ”の話を聞いて頂きましょう。
記憶には遠く.......儚いものですが.......。
その少女たちの名前は.......そう、、。
アミルとエミル。双子の姉妹です。
彼女達の家はとても貧しく、
一日にパンを一切れと
小さなさじ一杯分のスープしか食べることが出来ませんでした。
父親はお金がないというのに一日の殆どを遊び散らかし、ろくに働きもしません。
母親はそんな彼に愛想を尽かし2人の可愛らしい娘達を置いて出ていきました。
アミルは家事をし、エミルは街で紳士淑女達の靴を磨きました。エミルは家に帰るといつも、こんなことを言いました。
「ねぇ、アミル姉さん。あんな綺麗な革靴を履いた紳士が私達のお父さんだったらどんなに良かったでしょうね。あんな綺麗なヒールを履いた貴婦人が私達のお母さんだったらどんなに私達を愛してくれたでしょうね。」
アミルは何も言いません。
いつもの事ですから。
ただあの日は違いました。
「あぁ、可哀想なエミル。明日は一緒に街へ出掛けましょう。紳士や貴婦人を見にね。きっと私達のお母さんやお父さんになってくれる人が居るわ。」
アミルはそう言って
どこか悲しげに笑いました。
まだほんの10歳でした。
いかがでしたか。
2人の少女のお話。
アミルとエミルはとても可愛い双子で
よく2人が、庭で摘んだタンポポを私にと持ってきてくれたものです。
あの愛らしい笑顔をもう一度見たいと思うのは
私のわがままであり望みでしょう。
ではまた貴方に会える日を楽しみにしております。
明日も良い旅を
ー旅人よりー
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