私には好きな人がいます。
私も既婚者、相手も既婚者です。
だから当然気持ちを伝えることは考えていません。
でもその人のことを少し書かせてください。
その人は優しい人です。公正な人です。少し子供っぽいところがあって、楽しいことを考えていたら、少年のような顔をしている人です。
合理的で、ロジカルて、理知的な発想ができる人です。色々な知識があって、話していたら刺激的でとても面白い人です。
私以外の大多数の人からは、少し理屈っぽくて、理論的過ぎて、取っ付きにく人と思われてるかもしれません。冷たくて何考えてるか分かんない人と思われてるかもしれません。
たまにそう言う面もありますが、そうじゃないのにな、と私は思っています。
その人は恩人です。
本人は私に感謝されていることは知らないと思います。会社で理不尽な扱いを受け、いつ仕事を辞めようかと、常につまらない顔をしていた私にとって、その人は私の過去の評価も気にせず、普通に接してくれた人でした。
普通に接してくれ、きちんと能力を判断し、得意なことはどんどん頼ってくれる。私の弱みも強みも知ってくれる、自分の弱さもさらけ出してくれる人。その人は冷たい社内で凍っていた私にとって、太陽のような人でした。
つまらないと思って仕事をしていた私に、やりがいを与えてくれた人でした。
最初は人として尊敬し、慕っていたのが、気づいたら異性としての好意になっていたんです。
そう自己認知した時は、愕然とし、自分の気持ちに嫌悪し、そして悩みました。
でも今は出会えたことに感謝し、迷惑にならない範囲で側にいて、その人と時間をともにできたらと思っています。
与えられた時間は短い。
あと数年でその人はいなくなる。もう会えなくなる。
今までも先輩や上司が異動退職するのは怖かった。でもその時の強さとは違います。
責任が増えることへの恐れ、自分にできるかという不安でした。
多分、仕事はできます。その人の代わりに来る人を支援し、成果を出すことはできるのです。
ただ、もう毎日楽しい嬉しいと思うことは無くなるんでしょうね。
毎日一緒にいれて嬉しい、毎日何か発見があって楽しい、その人といればきっと課題をクリアできる、そう自信を持って言える日は二度と来ない。
不安なのです。今当たり前にあるこの幸福を失うことが。この人がいない会社にどんな価値があるのか分からないのです。
そして、同じくらい、その人を大切に思う気持ちが消えていくことも怖いのです。過去の思い出になるのが、叶わない恋なら忘れてしまうのが一番だとはわかっているけど、怖い。
つれづれなるままにすみません。
数年後、失恋も乗り越えて、この文章を過去の愛おしい思い出として読み返せたらと思って書きました。長文失礼しました。