怖くなる。
もう何年も同じ部屋に住んでいて、とうの昔に見慣れてしまった。
そんなはずはないのに、変わらないこの部屋を見回して、考えてしまう。
私はずっと変わらないままなんじゃないか。
移ろいゆく街並みに取り残されたようなこの部屋と一緒に。
怖くなる。
この世界に無数に存在する、人生という狭間を留まることなく流れ続ける時間。
時間が止まれば、なんて思わない。
でも、私も一緒に流れていければ。
誰が足を引っ張るわけでもないのに、私はどういう訳か立ち止まったままでいるようだ。
怖くなる。
怖い。
明日が来ることが。
新しいことを始めることが。
今ある私を終わらせることが。
知らない世界に出会うことが。
心から求めていることなのに。