クラスが壊れてしまう。
たった1ミリで。
担任が怒った。
生徒は理解出来なかった。
ただそれだけ。
そんな1ミリのずれ。
自分は双方の話を聞いた。
何方の考えも解る。
何方も正しかった。
担任は後に引けない。
生徒は譲らない。
自分はなんの権限もない。
なにも言えない。
知ってるのになにも言えない。
きっと言ってしまえば終わる。
でもそんな事誰も望んでない。
そしてこれは言ってはいけない。
なにも言ってはいけない。
素知らぬふりをせねばならない。
自分は案外あの先生が好きだ。
ただ真っ直ぐぶつかる人。
そんな人初めてだったから。
勿論不器用な人だとも思うけど。
多分、言うほど悪い人じゃない。
生徒達はまだまだ幼い。
そして経験も浅い。
だけれど正直だ。
嫌なら嫌な顔をする。
嬉しければ煩いほど笑う。
ただ人との関わりが苦手なだけ。
本当はきっと優しい子達。
このままだと担任は消えてしまう。
そんなの嫌に決まってる。
生徒も先生も歩み寄って欲しい。
生徒が歩み寄ればそれで変わる。
皆で謝りに行こう。
その一言が聞きたいのだ。
けれどきっと明日も何も
このクラスが壊れてしまうのは
自分は、嫌だ。
案外君達が好きだったから。
いやだ。
かわってしまうのかな。
いやだ。
こわいな。いやだな。