中学の時のS先生へ。
お久しぶりです。ふと先生と話したくなって、でもどこにいらっしゃるかわからないから、ここにひっそりと手紙を書きます。もしかしたらご結婚されて、S始まりじゃなくなってしまったかもしれませんね。でもあの時のまま、S先生とお呼びします。
私が中学生だった当時、私の学年は酷い有様でしたね。特に中2。詳しくは言いませんが、本当に色んなことがあった。同級生も先生も皆信じられなかった。正直言って皆消えればいいのに、そう思っていました。
でもそんな腐った先生たちの中で唯一信頼できた先生が、そうですS先生でした。黒板でもノートでも美しいあなたの字、怒る時はあえて黙るその姿。ある子に暴言吐かれても、その子を最後まで見捨てなかったその姿。友達と喧嘩してげんなりしていた私に優しく声をかけてくれたあの時。丁寧な英作文の添削。S先生との思い出は全部忘れていません。あなたから卒業の時にもらった手紙も大切に取ってあります。
そんな私もついに20歳になりました。ビリー・ジョエルの「Piano Man」の話で盛り上がった時にあなたがハマったという、ジントニック。やっと飲めるようになりました。一緒に飲みたい。会いたい。
…こんなこと言っていますが、きっと私とは会えないと思います。中学の同窓会は欠席しますし、あなたも来るかわかりませんしね。でも私はあなたの幸せを心から祈っています。そしてこれからも素敵な先生でいてください。またどこかで。