発達障害。
普通の人は簡単にできることをできるようになりたくて。
頑張っても全然人並みになれない。
追いつけたと思ったころには、周りはもっと先へ進んでしまっている。
努力が足りない。甘えって言われる。医者までがそう言うので私はもうおかしくなりそう。
どうして、こんなに頑張っても周りは冷たいんだろう。
バイトもクビになるし、相談にも乗ってくれず先輩たちはみんな私を責めるばかり。誰も私の悩みに寄り添ってくれはしない。
誰か、ボロボロになった私に頑張ったねって言って抱きしめてほしい。
じゃなきゃ、こんな世界なんて私と一緒に壊れてしまえばいい。
名前のない小瓶
57960通目の宛名のないメール
小瓶主の返事あり
お返事が届いています
ななしさん
(小瓶主)
ちゃんと相談してもだめでしたよ
できないことをできるようにしろと周りは強要します
私が一方的に理解しろとごねているわけでもないのに
そりゃ悪魔にだってなります
ななしさん
何か、根本的なとこが違う気がします。
発達障害であるあなたが、周りの人と同じことが出来るようになるのを要求されるのはおかしいですよね。
これが発達でなく、身体障害者ならどうですか。
例えば盲目の人がぶつかってきたとして、「お前、ちゃんと前見ろよ!」って言うのはおかしいでしょ?
本人がどんなに頑張ったって、見えないんだから。目が見える周りの人がぶつからないように避けたり、道を整備して盲目の人でも歩きやすいようにしたり、そういうことが必要でしょう。
そして盲目の人は、目が見えないのが周りにわかりやすいように、バッジをつけたり杖を持ったりする。
発達障害も同じじゃないですか?
療育や訓練や、うつを防ぐための薬などに頼りながら、行動をある程度調整することは出来るけど、それでも努力だけではどうしたって出来ないことがあるから「障害」と言われているんですよね。
だからあなたに必要なのは、そのどうしたって出来ないことにこだわったり自己嫌悪を感じることでなく、自分の苦手なことをしっかり伝えて把握してもらい、出来ないことは出来る人に手を借りて、それについて謝罪や感謝をきちんとすることじゃないでしょうか。
そしてあなたの発達障害を知っていて職場に迎え入れたなら、出来ない仕事からはあなたを外すのが上司の仕事のはずです。
もしカミングアウトしていないなら、それはあなたに責任があります。出来ないことを出来ないと言わないのはいけませんよね。障害を知られたくないから…と思うなら、支援団体繋がりのバイト先を探しましょう。
あなたが「普通の人と同じようになりたい」と願ったのは何故ですか?
誰かの役に立ちたい、頼られたい。職場に必要な存在になりたい。
或いは楽しいおしゃべりがしたい、ちょっと気の利いたボケやツッコミで盛り上げたい。
そんな気持ちがあったからでしょうか。
だとしたら強く言いたいのは、愛される方法はひとつではないということです。
仕事が出来ない人、いくらでもいます。
社交的でない人もいくらでもいます。
それでも愛されている人はたくさんいます。
人の魅力は、優秀な部分だけにあるのではないのです。むしろ劣った部分をどれだけ受け入れて許してもらえるか、助けてもらえるかの方が、はるかに重要なことだと私は思います。
それに必要なのが、謝罪と感謝です。
私もあなたと同じタイプかはわかりませんが、発達障害の知り合いが2人います。
最初はとんでもない発言にびっくりしたり思わず怒ったりすることもありましたが、だんだんそういう人なんだな、これは苦手だろうな…と何となくわかるようになりました。付き合いが続いたのは相手が自分の出来る範囲を教えてくれ、何か指摘した時に必ず謝罪や感謝があったからだと思います。
ななしさん
発達障害の方は出来ないことを無理に頑張る必要ないんですよ。
それより自分の得意不得意を見極めてそれに合ったことを見つけていくのが先です。
冬
最後の一行。
私には主さんの力を見た気がしています。主さん一人じゃなく、もろともという力強さです。
合わないお医者さんは止めませんか?
本来、主さんはとてもパワーのある人なんじゃないかなと思うんです。だから一生懸命努力している。ものすごく頑張ってる。
人並みというのが何を指しているのかわかりませんが、自分を無理やりそこへ当てはめて、出来ていることも無視してませんか?つんのめる様に前へ前へと行ってませんか?
頼ることも出来ないことも、本当はありなんだと思います。
今の自分を知るってこと、実は努力より難しいかもしれない。
偉そうに言って、ごめんなさいね。
ちょっとだけ、立ち止まるのもありなのかな、って思ったから。
以下はまだお返事がない小瓶です。
お返事をしていただけると小瓶主さんはとてもうれしいと思います。