明日、目が覚めた時に見る景色が別のものだったらどれだけいいだろうかと思う。
大好きな小説の世界のような
汚い事や胸糞悪くなる事が無い世界で、綺麗でキラキラした毎日を送る人生。
そんな流れの中に目覚める事ができたならどれだけいいことか
いくら何をやったところで、実現できそうにもない
小さい頃から本が大好きで、現実が大嫌いで、いつもいつも本の世界で生きていた。
深夜まで読み続けた小説。どれも凄く綺麗に輝いていて、読んでる間だけはまるで自分が本当にその世界にいるかのような錯覚に陥った。
興奮と感動と切なさが入り交じって本当に楽しかった。でも、本はやがて終わる。物語はいつか終わる。最後のページをめくったらそれで終わり。主人公も登場人物も、それぞれの道を歩みはじめていってしまって、まるで自分が取り残されたような気がして
だからいつもどうにか小説の世界に行けないかなと考えてた。
大人になった今でも、残念ながら変わってない。
環境の変化も体の変化も自分の一番深い所にあるものには届かなかった。
今でも本を読む。一時だけの別の人生。一時だけの別の世界。いつか終わるとはわかっていても、読まずにはいられない。逃げずにはいられない。現実から。
だからどうか。明日の朝、起きた時に見る景色を別なものにしてください。
汚い事や胸糞悪くなる事が無い景色を見せてください。