小瓶主さんからのお返事
つきまちうさぎさんへ。
ずいぶん思い切ったことをしたねえ〜
まあ、とりあえずそれは置いといて……
ウサギさんのお友達は
どうにもならない怒りに
振り回されてるのさ。
本当ならその怒りは
自分自身にぶつけなきゃいけないんだけど
怒りが強すぎて自分自身だけに
収まらなくなっちゃったんだよ。
それでその怒りをぶつけるところを探して
自分と価値観が違う子にぶつけているのさ。
怒りっていうものは
思いどおりにいかないことから生まれる
感情。
思いどおりにいかないことって
もらい事故みたいなものでなければ
ほとんどが自業自得。
だから
自己処理しなきゃいけないんだけどね……
「北風と太陽」って話を知ってるかい?
そうそう、太陽さんが服を脱がす……
この場合、北風さんでも太陽さんでも
服を脱がすのは難しいと思うよ?
北風さんのように
「それは間違っている。」って指摘しても
「いいや、間違ってない。」と
反論するだろうし、
太陽さんのように
「まあ、冷静になれって。」ってなだめても
「キミにボクの何がわかる?」って
つっ返されるだろうし。
じゃあ、どうにもできないのかって?
そんなことはないさ。
今着ている服を
ダサいと思わせたらいいのさ。
ただ、こういうのは
直接伝えてもダメなんだよ。
例えば気にいっている服を
直接ダサいとか言われたら怒るし
「これがボクのセンスだから。」で
終わっちゃうでしょ?
周りからじっくりと
時間をかけて攻めるのさ。
そこかしこに間接的に
ダサいと思わせるものを散らばらせるのさ。
それはボクが今書いているこのお返事や
前にボクが書いた「我儘の話」っていう
お手紙のようなものだったり。
そう、それがダサいっていう空気を
世界中に広めれば間接的に伝わるのさ。
ボク以外にも今までいろんな子たちが
広めてくれてるからね〜
ウサギさんのお友達が
情報をシャットダウンしていないかぎり
チクリチクリと刺さっているはずだよ。
北風さんでも太陽さんでもない……
時の女神さんっていったところかな?
それを見て
変わるか変わらないかは本人しだい。
変わらないようだったら冷たいようだけど
そこまでの子だったってことだよ。
んで、ウサギさん
ウサギさんがバケモノになって
「ここ」にいられなくなっても
ウサギさんの中のボクがきっと
なにかのきっかけで
ウサギさんを助けるはずだからね。
あきらめちゃダメだよ?
ウサギさんもウサギさんのお友達も
まだまだ若いんだから
まだまだ強くなれるよ、きっとね。
ボクは別の人生を生きているキミ。
キミは別の人生を生きているボク。
困ったときはお互いさまなのさ。