小瓶主さんからのお返事
お久しぶりです。身の上話が長くなるので迷いましたが、聞いていただきたくて全て書くことにしました。僕の悩みと密接に関わるので長いですが、お付き合いください。
僕は幼少から喘息やアトピー性皮膚炎で体が弱く、運動も苦手でした。ただ勉強だけはできたので、学生時代は一心に勉強にすがり、身の丈に合わない高校・大学へと進学しました。
が、発達障害があり、僕の勉強は暗記力に頼ったものでした。授業もテストも難しくすごくストレスでした。毎日ギリギリ負荷をかけ続けたのが良くなかったのか、その記憶力は大学に入るまでに使い果たしてしまったようなんです。以後、現在に至るまで、僕は教えられたり本で読んだ内容や数字を長期記憶できないという困難を抱えています。
ちなみに発達障害が検査で認められたのはつい最近のことでした。素早く作業の項目が障害を持つ方並に極端に低く、そこは長期記憶の部分にも関わるのだそう。医師の説明を受けて、どうりで学生時代にやったレジ打ちや工場のバイトも苦手だったわけだなと納得しました。
新卒入社に失敗はしたのですが、転職を重ねながら何とかキャリアアップを目指してきました。体を使ったり運転をする仕事では食えないことは自覚していたので、頭で食うしかないと覚悟を決めました。
若かったし、自分が惨めに終わらなければならないという運命に抗いたかった。周りが遊んだり飲みに行ったりする時間を全て勉強に費やし、少しずつ理想とするような職種に近づいていったのです。10年かけて、ついに非正規で名だたる大手に潜り込み、正社員登用の推薦までもらえるところまできました。
でも、記憶のできなさが僕を阻みました。資料をいくら読んでも記憶に残らない。記憶に残らないので前に勉強したところからまた勉強し直しになる。波に消される砂の城を何度も積上げてる気分。登用の試験には落ち、最後のチャンスが途絶えました。非正規として契約期間も満了で退職。士業として資格を取り独立できる職種でもあるのですが、資格を取るにもまた記憶の残らなさに省かれています。一人暮らしでかつかつなため学校に通う余裕はありません。
そんなこんなな時に追い打ちで親が失くなりました。キャリアを折られ、帰るべき家も無くなった。お前はガラスの天井から上にはいけないんだ、普通の人のような仕事もできず続かないんだと呪いを背負った気分なのです。元々、僕の親も仕事を転々として最後は自営です。親には料理の腕がありましたが、その専門的な才能は僕にはありませんでした。眼の前が真っ暗で途方に暮れています。また学生時代から僕は、自分がホームレスで孤独死してるビジョンが強烈にあり、恐怖に怯えています。10年間は頑張って目をつぶって逃げれたけど、残りまだ30余年。死神の鎌から逃がれられない恐怖で怖くて仕方ありません。
もう貯金に余裕は失くなりました。返事をくれた小瓶主さんにこれも縁と最後に知ってほしかったのと、人生の先輩として夢破れ展望がなくなり絶望した後にどう生きる希望を見出したか、生業を続けるモチベーションを保っていたかお聞きしたいなと思い、書くことを決意しました。